うるま市にある2012年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、世界遺産に登録された「勝連城跡」の概要を紹介します。「勝連城跡は」高低差を活かした城づくりが特徴で、沖縄中部有数に観光地として訪れる人々でにぎわいます。「勝連城跡」はまだ発掘調査と復元の途中で、その全貌はよく知られていません。
うるま市を訪れる人なら必す立ち寄る処で、首里城を中心とする中山の琉球統一に最後まで抵抗した有力な按司「阿麻和利(あまわり)」の居城で栄えた場所です。築城は11世紀から12世紀までと推定され、1の郭から4の郭まで階段状に並んでいます。このうち、2の郭からは発掘の結果「舎殿跡」が確認されているのです。出土品も多く奄美や日本・遠くは東アジアに起源をもつ文物が確認されており、最盛期の15世紀には海外との交易が活発であったことが知られています。「阿麻和利」は、護佐丸を滅ぼし、さらに琉球統一を目指して国王の居城である「首里城」を攻めましたが、1458年に大敗して滅びたという悲しい歴史があるのです。琉球王朝が世界への目を向けていたことを、この城を訪れることで規模の大きな王朝の歴史に触れることができます。
沖縄の城は、本土の戦争から守るという意味合いは少なく民衆が集う場所でした。勝連城跡は、進貢船の形に似てつくられたことから「進貢船のグスク」とも呼ばれているのです。沖縄県でも有数の規模と歴史を有したグスクとなります。勝連場で最も高い場所にある「一の曲輪」は標高98メートルで、南は知念半島から北は山原(ヤンバル)まで見渡すことができる風光明媚な所です。うるま市のもうひとつの観光名所である、「海中道路」が東側に見え景色を眺めているだけでも沖縄に来たことを実感できる場所です。
アクセスは、那覇空港から高速道路を利用して約1時間の距離にあります。沖縄中部に属する、エメラルドグリーンの沖縄らしい中城湾を一望にすることができ、山の上から沖縄の海岸線を見ることができる絶景スポットとなっているのです。グスク見物は、約1時間程度ですが、階段が多く南西側には「南風原御門(はえばるうじょう)」、反対の北東側に「西原御門(にしばるうじょう)」というアーチ門が開いていた跡地など、現在は地下遺構だけが残っていますが、じっくりと見学してみることをおすすめします。石段が残されており、階段をあがることで琉球の昔をしのぶことができます。