伊波城は沖縄県うるま市石川に存在していたグスクの跡です。指定文化財として沖縄県の史跡に指定されているものであり、国内の様々な地域や海外からもこの場所を訪れる人が多いと言えます。
うるま市の市街を北東に見渡せる標高87メートルの丘陵に存在している山城です。琉球石灰岩の上に建てられたものであり、城壁は野面積み技法によってつくられています。野面積み技法は自然の地形を巧みに取り入れることで自然石をほぼ加工せずに積み上げる方法であり、この技法を用いてつくられた城壁は非常に特徴的なものとなっていることを知っておくと良いです。1989年には発掘調査が行われています。調査の結果、建て替えを数回行っている可能性が高いこと、掘立柱建物が存在していたことが分かりました。伊覇按司によって築かれましたが、地元産の土器以外に外国産の土器や中国産の青磁と白磁、三彩陶器などを始めとするたくさんの品が出土しており、伊覇按司の交易範囲がとても広かったことが分かります。さらに、13世紀後半から15世紀に生活していた人々の食べ残しである貝殻や魚、イノシシの骨などが発見されていますし、貝塚時代の土器も出土しているので、伊覇按司によって築かれるよりも前から歴史的に重要な場所だったと言えるでしょう。
伊波城はロケーションがとても良いです。登城して見る景色は絶景だと言えます。とても神秘的な雰囲気のある場所であり、散策しながら昔の人々の暮らしに思いを馳せることができるでしょう。沖縄には世界遺産に登録されている他の城跡もありますが、このグスクはそれらとまた違った雰囲気があります。実際に訪れた人には荘厳さを感じたり、鳥居の向こうが聖域であることに緊張感を覚えたりする人が多いです。至る場所がパワースポットとして扱われているため、パワースポットやスピリチュアルなことに興味がある人にもおすすめのグスクだと言えます。
沖縄にある伊波城は沖縄の歴史を語る上で欠かすことができない存在であり、この場所を訪れるのであれば実際に足を運んでおきたいスポットの1つだと言えるでしょう。インターネットでは写真をチェックすることもできますが、実際に足を運ぶことで荘厳さや独特の雰囲気を感じ取ることができるはずです。城や歴史に興味を持っているのであれば、魅力的な城跡である伊波城について詳しく知った上で、実際にこの場所を訪れてみることがおすすめだと言えます。