昔から沖縄県では闘牛が盛んであり、大衆娯楽としても親しまれてきました。特にうるま市においては闘牛のまち、もしくは闘牛王国とも言われており、沖縄県の中でも歴史があります。全島闘牛大会などの大会試合が行われており、県内外から観戦に訪れる人が多いです。
なおうるま市の場合、2019年に闘牛大会において闘牛のまち宣言を発表しています。これはもともと伝統文化であった闘牛をまちづくりの一環としてとらえ、観光資源に活用することが目的です。宣言文においては、家族や友達、地域の絆を強める伝統文化として継承されている闘牛をまちづくりに大きく寄与し、さらに様々な地域に人にも楽しんでほしいという内容となっています。
うるま市の闘牛においては2018年に無形民俗文化財に指定されており、このように宣言をするのは全国で初めてとなります。
うるま市の闘牛は制限時間を設けない大会試合であり、10番から13番程度の試合数となります。実力の低い牛から戦いに挑んでいきますが、試合内容によっては30分を超えるほど長く熱戦を繰り広げます。うるま市の場合、種類はもちろんのことその牛が持っている本来の性格、さらに角の種類によって戦い方に違いがあるのが特徴であり、技が豊富であり、特に押しや腹取り、眉間に角を打ち込むツキ、相手の技から逃げるために行う持たせ込みなど他の地域ではなかなか見られないようなものを見ることができます。牛の体は1トンほどの重さであり全力でぶつかり合うため、その際の音の響きも楽しむことが可能です。
さらに闘牛の場合、ただ牛同士が戦っているのではなく、勢子と呼ばれる闘牛士が最適なタイミングで掛け声を発しています。この掛け声はヤグイと言われており、牛を叱咤したり鼓舞したりする様子を見るのも闘牛大会のだいご味となります。闘牛士の質によっても牛は変化をするので、誘導をしている様子を見ながら牛同士の戦いを間近で見ることが可能であるため、大会は大変な熱気を帯びます。
さらに闘牛について興味がある人の場合、本来の大会だけではなく、対戦の直前に行われる牛の最終調整も注目をしており、待機小屋での様子、牛を落ち着かせるためのブラッシング、気持ちをやわらげるためのマッサージなども見ものです。馬に比べると牛は気性が荒い面がありますが、一つ一つのしぐさや言葉により、徐々に気性が安定していく様子を見られるのは闘牛王国ならではとなります。